怪我の予防にも美容にも!運動でコラーゲンを増やす!!

今から数年前のこと。
ある日、階段を踏み外して足首をひどく捻挫してしまいました。
あれから8日ほど経ち、完全ではないながらも回復してきた頃に、ようやく通常のヨガレッスンに復帰することができました。たった数日動かないだけでも、身体は驚くほど鈍ってしまうもの。足首に負担をかけないよう注意しながら、コア中心の動きを少しずつ再開していました。
怪我がくれた気づきと学び
当時は、足首の不安定さからバランスがうまく取れず、スタンディングポーズでは見事にグラグラ(笑)。そこで、いつもの倍ほどコアに意識を向けてみたところ、驚くほどバランスが取りやすくなったのです。
この出来事をきっかけに、動きに工夫を加えながら、「できないなりにどうやったら効率よく身体を使えるか?」という視点で練習を重ねるようになりました。怪我は決して歓迎できるものではありませんが、それによって得られる学びや気づきがあることも、また事実です。
おかげで、読みたかった本をじっくり読む時間が持てたり、不思議と嬉しい出来事がいくつも重なったりと、あの時期は想像以上に豊かな時間でもありました。
そしてこの頃から、「すべての出来事は、起こるべくして起こる」「出来事の奥には、何かしらのサインがある」という捉え方を自然とするようになっていました。たとえ一見ネガティブに見えることでも、その先にある何かにワクワクできる自分がいたことを、今でもよく覚えています。
結合組織を鍛えることの大切さ
ちょうどこの頃、アメリカの医療系ヨガ団体に所属し、生理学や神経学などの学びを深めていたこともあり、「結合組織」の重要性について知る機会が増えていました。筋膜や靭帯、腱など、私たちの身体を支えるこの組織は、怪我の予防にも回復にも大きく関わっているのです。
実際、身体の怪我の約85%は、筋肉ではなくこの結合組織の損傷によるものだと言われています。だからこそ、怪我の予防という観点では、筋肉だけでなく、結合組織を意識したトレーニングが重要になってくるのです。
結合組織はとても柔軟で、日々の動きや負荷に応じて変化・適応していきます。今の姿勢も、毎日の習慣が少しずつ身体に影響を与えた結果です。つまり、姿勢を変えたいのであれば、日々の負荷や動き方そのものを見直す必要があるということ。整体やマッサージに通っても、日常のクセを変えなければ、また元に戻ってしまう…ということがよくありますよね。
コラーゲンは運動でも増やせる!
もうひとつの大事なポイント。それは、結合組織の主成分であるコラーゲンについて。
靭帯や腱に含まれるコラーゲンは、運動によって負荷をかけることで新たに生成され、組織を強く保つ助けになります。年齢とともに減少していくコラーゲンですが、近年の研究では、適度な運動習慣を続けることで、その減少を防ぎ、むしろ増やすことさえ可能だとわかってきました。
コラーゲンといえば、美容の分野でもよく知られていますよね。高価なサプリや化粧品もたくさんありますが、自分の身体の中で生み出すことができるなんて、すごくないですか?
骨もまた同様で、運動によって負荷をかけることで、年齢に関係なく骨密度を高め、強く保つことができます。私はカルシウムのサプリなどは特に摂っていませんが、インドのアーユルヴェーダの先生から「骨がとても強いですね」と褒めていただいたことがあります。
ちなみに、あの足首の怪我のとき、病院では「ヒビが入っているかもしれませんね」と言われました。でもレントゲンでは骨はとても綺麗で、ひどい着地だったにもかかわらず、結果は捻挫だけで済んだのです。日頃のトレーニングの成果だと感じた瞬間でした。
無理せず、少しずつ。そして痛みのサインに耳を傾けて
結合組織は血流が少ないため、損傷すると筋肉よりも回復に時間がかかります。だからこそ、無理をせず、少しずつ負荷を上げていくことがとても大切です。頑張りすぎてしまうと、かえって怪我を長引かせてしまうこともあります。
もうひとつ大事なのは、「痛みを感じない範囲で動く」こと。怪我のタイプによっては痛みを伴うリハビリが必要になることもありますが、それは例外。基本的には、痛みは神経系からの大切な警告サインです。トレーニングをする際は、その声に耳を傾けながら、少しずつ可動域を広げていきましょう。
自分の身体と丁寧に向き合うことが、何よりも大きな財産になると、あの経験から強く感じました。
Happy Training!