運動不足は喫煙並みに危険? 〜運動が細胞を守る仕組み | Wonderworks Yoga

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運動不足は喫煙並みに危険? 〜運動が細胞を守る仕組み


ショッキングなタイトルですが、座っている(不活動)の時間が長いことは、喫煙と同じくらい死亡リスクを高めることが報告されています。

ハーバード大学を卒業した約1万7千人(35-74歳)を対象に、年代別身体活動量と死亡数の関係を調べた調査では、各年代とも週当たりの身体活動量が高いほど、死亡数が減っていました。特に60歳から69歳と70歳以上では、週当たりの身体活動による消費エネルギーが500kcal以下と2000kcal以上では、2倍も死亡率が違うことが報告されています。

一方、動いていない(不活動)時間と生存率との関係について、男女17000人(18-90歳)を対象にして行った調査によると、座っている時間が長い人ほど、死亡率が高いことが分かりました。

昨今は、適度な運動こそが健康長寿の鍵となることが分かっています。なぜなら、運動は、筋肉や骨を強化して身体を頑丈にするだけなく、代謝や血液循環を高め、脳や神経にも良い影響を与えるからです。運動を習慣にしている人は、高血圧や心臓発作、心血管系の病気や糖尿病、うつ病やメタボリック・シンドロームにかかるリスクが低く、認知症にもなりにくいというデータもあります。

今日は具体的に、運動をすると体内でどんなことが起こるのか、特に「酸化ストレス」と「免疫老化」に関してのメカニズムを見ていきたいと思います。

運動と酸化ストレス

運動をする人は、「酸化ストレス」として知られる有毒な状態に陥りにくいと言われています。

私たちは呼吸をすることで酸素を取り入れ、食品から取り込んだ栄養素から身体の働きの元であるエネルギーをつくっていますが、ここには栄養素を燃やすこと、すなわち「酸化」が必要となります。

体内での酸化は常に起こっており、私たちの細胞内に抗酸化物質が存在しているので、酸化と抗酸化のバランスが保たれていれば問題ありません。

しかし、ストレス、喫煙、アルコール、偏った食生活、公害、過激な運動などは、活性酸素やフリーラジカルを増やし、抗酸化が追いつかず、「酸化ストレス」の状態に陥ります。

活性酸素やフリーラジカルがたまっていくと、細胞を傷つけたり死滅させたりして、老化や疾病を引き起こします。心血管系の病気やがん、肺疾患、関節炎、糖尿病、神経変性疾患….等との相関性が認められるそうです。

運動をすることは、実は短期的にはフリーラジカルを増加させますが(大量の酸素が取り込まれるのが原因の一つ)、この短期的な反応は、健康的な対抗応の引き金になり、身体がより多くの抗酸化物質を生産し始めます

心理的ストレスも短期的なものなら困難に対処する能力を磨くのと同じように、適度で定期的な運動による肉体的なストレスは、究極的には抗酸化物質とフリーラジカルのバランスを向上させ、細胞をより健康的な状態に保つようになるのです (過激な運動は例外!)。

免疫老化:運動は健康寿命を長くする

人間が年齢を重ねるにつれて病気にかかりやすくなる背景には、「免疫老化」と呼ばれる現象があります。

免疫細胞(白血球)は本来、体内に侵入したウイルスや細菌と闘ったり、異常な細胞を見つけて排除したりする役割を担っています。しかし加齢とともに、その働きは徐々に低下していきます

さらに年齢を重ねると、身体の中では炎症を促す物質(炎症性サイトカイン)が増えやすくなります。その結果、体内では弱い炎症が長期間続くようになり、免疫細胞の老化がさらに加速してしまいます。

しかし、定期的な運動する人は、この慢性的な炎症が起こりにくく、免疫機能もより良好に保たれることがわかっています。つまり運動は、筋肉や心肺機能を鍛えるだけでなく、免疫システムそのものの若さを維持し、健康寿命を延ばすことにも役立つのです。

近年の老化研究では、この「慢性炎症」が老化を加速させる重要な要因の一つとして注目されています。そのため運動の価値は、単に筋肉をつけたり体重を減らしたりすることだけではなく、身体の中で静かに進行する炎症を抑え、細胞レベルの健康を守ることにもあると考えられているのです。

更に、この慢性的な炎症は、前回ご紹介したテロメアの短縮とも関係していることが分かっています。運動によって炎症が抑えられることは、細胞レベルの老化を遅らせることにもつながる可能性があるのです。

運動と免疫学の研究者、リチャードシンプソンによれば、「日々の運動が免疫系の働きを整え、免疫老化の開始を遅らせられる」ことができ、このことはその他の研究からも示されています。

運動が細胞レベルで与えるメリットは他にもあります。定期的な運動によって、副腎皮質の細胞は、ストレスホルモンとして知られるコルチゾールの生産を抑制するようになります。コルチゾールの分泌が減れば、心はより穏やかになり精神的にも安定します。

どのくらいの運動をすればいいの?

これには色々な説がありますが、私は週3以上が理想だと思っています。今全く運動をしていない人にはハードルが高いと思いますが、無理なく、楽しく、気持ちよくできる範囲内で始めることが鍵です。例えば毎日仕事で座りっぱなしなのであれば、普段から階段を使うようにする、バスに乗る代わりに歩く、週末にヨガレッスンに参加してみる等、できるところから始めて、身体を動かすことを慣らし、徐々に習慣化させていきましょう

運動によって、筋肉も骨も神経系も強化されていきますが、使わなければ衰えます。使わない神経回路は遮断され、脳細胞は死んでいきます。健やかな身体と神経系を保つことは、反復と習慣化によって可能になるのです!

私たちの身体は、私たちが思っている以上に優秀で適応力があり、素晴らしい機能を備えています。少しずつ身体を動かすことを習慣にしていけば、身体はそれに応えてどんどん動けるようになるので、身体を動かす楽しさも倍増し、更に動きたくなります。

そうなれば、プラスのスパイラルで、心も身体もどんどん変化していきます

まずは初めの1歩からですね!

この記事の著者

Yuko

東京都港区生まれ。立教大学卒業後、イギリス大学院への留学や外資系広告代理店での勤務を経て、市場調査会社を起業。その後、2015年に本格的にヨガ講師として新たなキャリアをスタート。

2019年12月、自身のヨガメソッドのみで挑戦した金子賢プロデュースのボディコンテスト「サマースタイルアワード」に初出場。ビューティーフィットネスモデル部門で銅メダルを獲得。

2021年には、米国Yoga Medicineより日本初の「セラピューティック・スペシャリスト」として認定を受ける。伝統中医学や最新の科学研究を取り入れたセラピューティックヨガを提供し、主に30代から50代の女性を対象に、ホルモンや老化による心身の変化やライフステージの移行期における身体と心のバランスを整えるサポートを行っている。

女性たちが健康で活力に満ちた日々を送り、自分らしいライフスタイルを実現できるよう、伝統的な知恵と現代科学を融合させたメソッドで寄り添うヨガ講師として活動中。

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