ヨガで柔軟性は本当に上がるのか?

数年前のヨガアライアンスの調査によると、ヨガクラスに参加する主な動機の第1位は「柔軟性を高めたい」というものでした。実際に、74%のアメリカ人がヨガを「柔軟性を高めるための身体アクティビティ」と捉えています。しかし、ヨガを続けることで本当に柔軟性を向上させることができるのでしょうか?
静的ストレッチと柔軟性の関係
一般的に「ストレッチ」と言えば静的ストレッチ(一定の姿勢を保つストレッチ)を指し、可動域を広げるためのものと認識されています。しかし、研究結果にはばらつきがあり、静的ストレッチが必ずしも柔軟性を向上させるわけではないことがわかっています。
可動域向上のカギは神経システム
一方で、静的ストレッチによってパフォーマンスが低下するケースも報告されており、特に強度の高い運動前には、ストレッチよりもウォームアップを推奨する専門家もいます。また、静的ストレッチが怪我の予防に効果があるかどうかについても意見が分かれており、短時間(20〜30分)のみ可動域が増加するが、それ以上の持続的な影響はないという研究もあります。
興味深いことに、最新の研究では可動域の向上には神経系の影響が大きいことが明らかになっています。柔軟性を向上させるには、神経系が「安全である」と認識することが重要です。そのためには、筋力、コントロール力、コーディネーション力を高めることが効果的とされています。
極端にディープなストレッチは、逆に神経系に「危険」と認識され、筋肉が緊張することが分かっています。したがって、限界ギリギリのストレッチではなく、少し余裕を持った範囲でストレッチする方が効果的です。
ヨガとストレッチのバランス
多くのヨガクラスでは、静的ストレッチの要素が強調されることが多いですが、過度なストレッチが逆効果となる可能性もあります。ポーズを深めようと無理をすると、神経系が危険信号を出して筋肉が硬直し、結果的に柔軟性向上どころか怪我のリスクが高まることがあります。
そのため、柔軟性向上のためには、単なるストレッチだけでなく、筋力やコーディネーション力を養う動きも取り入れることが重要です。ヨガにおいても、「柔軟性」と「強さ(安定性)」のバランスが大切であり、どちらかに偏りすぎると体の負担が増えてしまいます。
個々の骨格の違いと柔軟性
柔軟性は生まれつきの骨格によっても左右されます。関節や筋肉の構造は個人差が大きく、例えば股関節の可動域が広い人もいれば、逆に構造的に制限がある人もいます。そのため、すべての人が同じ柔軟性を目指す必要はなく、自分の体の特徴を理解し、それに合わせたアプローチをすることが大切です。
私自身も長年の練習を通じて、自分の股関節が構造的に制限されていることに気づきました。無理にポーズを深めようとした結果、膝や腰に負担をかけてしまった経験があります。このような気づきは、柔軟性向上のために重要な学びとなりました。
柔軟性向上にはどれくらいの期間が必要?
ヨガの種類や頻度にもよりますが、週2〜3回の適切なプラクティスを継続すれば、一般的には1〜3年で柔軟性の最大値に達すると言われています。ただし、この「最大値」は人によって異なり、前屈で指が床につかない人もいれば、手のひらがべったりつく人もいるなど、個人差があります。
また、柔軟性も筋力と同じように、使わなければ失われていくものです。そのため、一度柔軟になったからといって油断せず、定期的な練習を続けることが重要です。
まとめ:大切なのはバランスと自分の体を知ること
ヨガを通じて柔軟性を高めることは可能ですが、ただ単にストレッチをするだけでは十分ではありません。筋力やコーディネーション力といった要素もバランスよく取り入れることで、より効果的に可動域を向上させることができます。
私たちの体はとても優秀で、痛みや違和感を通じて警告を発しています。無理をせず、体の声を聞きながらバランスを保つことが、長期的な健康と柔軟性の向上につながるのです。
ワンダーワークスヨガのアプローチ
ワンダーワークスヨガでは、単なる柔軟性向上のためのストレッチではなく、静的ストレッチ、動的ストレッチ、イーセントリックムーブメント、ファンクショナルムーブメントなど、さまざまな手法を取り入れています。これにより、可動域と安定性のバランスを整え、コーディネーション力やコントロール力を高め、怪我をしにくい、若々しく健康な体を目指します。
ストレッチに関する研究は他にも多くの興味深いものがあります。また別の機会にご紹介しますね。